運輸職種(運転士)


お客様の命を預かる立場として、
「安全のタスキ」をつないでいく

丸ノ内線乗務管区

志賀 大助Daisuke Shiga

2014 年入社

出身学部/工学部

丸ノ内線乗務管区に所属して、池袋〜荻窪間 24.2km と中野坂上〜方南町間 3.2km の区間を運行する丸ノ内線の運転士を務めています。丸ノ内線はATO(自動列車運転装置)によるワンマン運転であり、運転操作のほか、ドア操作や車内放送も運転士が担当しています。私たち運転部のミッションは安全な運転や安定した輸送サービスの提供を通じて、お客様を目的地に確実にご案内し、各部門が連携してつなげてきた「安全のタスキ」をお客様に届けることです。

人々の安全な移動手段を守ることで、日常を支えていきたい

父が電車の運転士だったため、幼い頃から自分も「誰かの役に立つ仕事がしたい」と考えてました。ただ当初は、父と同じ運転士ではなくインフラ整備のような仕事をイメージしていたので、大学も電気工学科に進みました。転機になったのは 2011 年の震災です。福島県の祖父母の家が被災し、すぐに会いに行って手助けをしたいと考えたのですが……。交通網は完全に麻痺しており、すぐに会いに行くことができませんでした。その際に「会いたいときに、会いたい人と会えることは、あたりまえのことではない」という事実を実感したのです。

そのとき、日々の生活の中で、あたりまえのように私たちを会いたい人のもとへ運んでくれる鉄道がふと浮かんだのです。様々な人の努力によって人々の移動する日常が支えられているのだということを強く感じ、そこからは鉄道や飛行機など交通系インフラの企業で働くことを考えるようになりました。

中でも、東京メトロは震災当時、帰宅困難者が多数いる状況で早期に運転を再開し、多くの人々の助けになっていたことがとても印象的で、自分もその一員となって首都東京の都市機能を支えたいと考えていました。

自分の後ろに 1500 人ものお客様が乗車している意識を大切に

今は運転士になって 4 年目です。仕事は分かれば分かるほど、怖さも出てきました。経験を重ね、危ないところを察知できるようになったのだと思います。また、選ばれる鉄道になるための創意工夫を考えて、英語放送に力を入れられるように勉強したり、”プラスα"の部分にも力を注げるようになっています。

他方で、最も大事にしなければならない基本は、社員が一丸となってつないできた「安全のタスキ」を、最後までしっかりとつなぎ届けること。その精神だと意識しています。そのように強く考えるようになったのは、先輩からの指導がきっかけでした。

「お前は荷物を運んでるんじゃない。お客様の生命と財産を背負っているんだぞ」と厳しく教えていただいたことで、常に責任感を大切にしていられるようになりました。運転席からはレールしか見えませんが、私の後ろには最大時で約 1,500 人のお客様にご乗車いただいております。常に、すべてのお客様を快適で安全に目的地までお届けできることを誇りに、運転士の仕事に臨んでいます。

後輩の指導や自身の成長の先には、海を越えて安全文化を

最近、統括運転士の昇職試験に合格しました。運転士はこの試験に合格しなければ後輩に対して運転技術を指導することができないので、少しキャリアアップできたことになります。まだ昇職したばかりのため、指導業務は経験していないのですが、自分が育ててもらえたように、責任感のある運転士を育てたいと思います。

東京メトロという会社は、とても風通し良く、和やかなチームのような一体感があります。もちろん厳しくしなければならない場面もあると思いますが、しっかりとした対話を重ねて、やさしく後輩のためになるような指導ができるように私自身ももっと成長していきたいと考えています。

そしていずれは海外にも目を向けて、東京メトロの安全文化を世界に伝えていきたいという目標を持っています。車掌時代にベトナムのハノイ市に海外研修に行ったのですが、文化の違いに衝撃を受けることもあり、その経験から鉄道事業が開発途上の国へ赴き、安全文化を世界に伝えていきたいと思うようになりました。そのためにはまず運転士としてより高い知識と技術を身につけ、運転部で実施している「運転部技能水準認定制度」、その最高位である「特級運転技師」を目指していきたいです。

※記載内容は取材当時のものです

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