土木職種(保守土木)
もしもの事態に万全の備えを施して、
東京メトロにさらなる安心を
工務部 土木工事所 土木第一課
佐々木 蓮香Renka Sasaki
2020 年入社
出身学部/工学部 社会環境工学科
土木工事所は、トンネルや橋梁などの土木構造物と付帯設備の検査や補修等の維持管理を行っている部署です。その中で土木第一課は、特に地上施設物の維持管理を受け持っており、私は高架橋のはく落対策設備の設置工事を中心に、車両基地内のクレーンの改修、地上部沿線の除草業務を担当しています。鉄道事業の基盤となる施設物を適切に維持管理して、次代に引き継ぐことができるよう、責任を持って一つひとつの仕事に向き合っています。
高架橋のはく落対策を注意深く実行し、
事故発生を未然に防ぐ
東日本大震災において被災し、インフラの重要性を痛感したことがきっかけで、学生時代は土木系の学科を専攻していました。その後、海外留学した際に、列車が毎日、工事期間中も休まずに定刻運行し続けるということが世界では当たり前でないと知り、日本の鉄道工事の技術の高さと鉄道業界で働く人の偉大さを感じました。
とりわけ東京メトロは、都心・地下空間という狭隘で制限の多い条件下でも高度な工事を行っていましたし、安全輸送に対する熱意にも惹きつけられました。
入社後はまず土木第三課で、災害対策などを目的とした改良工事の監理を経験。4 年目から土木第一課の所属になりました。メイン業務となる高架橋のはく落対策工事は、老朽化したコンクリート片が落下して第三者に被害を与えることのないよう、はく落防止ネットの設置や被覆材の塗布を行うもの。東西線の担当として、南砂町から西船橋までの沿線を歩き入念に調査した結果をもとに、対処すべき場所と工法を決定し、工事発注を行っています。この工事は沿線の方々の安全・安心を守る上でとても重要。今後は高架下にある店舗など、関係各所のみなさまにも工事の必要性を丁寧にお伝えし、ご協力いただきながら作業を進めていかなければと考えています。
大規模水害から地下鉄を守るゲートを、
苦労の末に取り付ける
以前、土木第三課にいた頃、日比谷線三ノ輪駅の近くある坑口(トンネルの出入口)に防水ゲートを設置する工事を担当したことがあります。気候変動に伴って大規模水害のリスクが高まっている近年、防水ゲートはトンネル内への浸水を防いで被害をくい止める重要設備です。
しかし、三ノ輪の坑口の土地には傾斜があって地盤も弱く、大型で重いゲートを設置するのは至難の業で、ミリ単位の繊細な修正を重ねる必要がありました。行政や近隣住民の方々との調整にも多くの労力を要しました。
とにかくすべてが初めての経験だったので、調整に手間取ってしまったり、自分が伝えたい内容を上手く伝えられなかったり……。沢山の壁や悩みに直面しましたが、取引先の工事請負会社や上司、関係部署にも協力してもらいながら難題を克服し、工事が完成した時は達成感もひとしおでした。さらに、自分の手がけたゲートが東京メトロを利用する人々の安全・安心につながっていることを実感しました。これが仕事のやりがいなんだな、と。今の私が、少しぐらい大変なことがあっても最後まで頑張ろう、という風に自分を奮い立たせることができるのは、この経験があったおかげだと思います。
つくる側・守る側、双方の視点を融合し
業務向上の役に立ちたい
土木職種はお客様の目に直接触れることの少ない職種ですが、土木が管理しているトンネルや高架橋などがなければ、列車は走れません。お客様の安全・安心を支えるという点では、最も基本となる部分に携わっていることに誇りを持って業務に取り組んでいます。
一方、東京メトロの土木工事所には、新しいモノをつくる仕事と、それを保守・維持管理する仕事の両方が存在します。どちらの立場も経験できる部署だからこそ、将来、何か新しいものをつくる時は保守する側の視点に立って、保守する仕事に携わる時は新しいものをつくる側の視点に立って物事を考え、業務を改善・進化させられる技術者になるのが目標です。
自分の思い描いている社会人になるために、どの企業に行くべきなのか。就職活動中はいろいろ悩むと思いますが、そんな時にはやはり、実際に働いている人のお話を沢山聞くのが良いのではないでしょうか。私の最終的な決め手になったのも、社員の方と話した雰囲気でした。東京メトロの人たちは、就職活動中の私の悩みにじっくりと耳を傾けて、様々なアドバイスをくれました。そのとき抱いた親身で話しやすい印象は、今も全く変わりません。
※記載内容は取材当時のものです
一覧に戻る