土木


駅とまちを一つにつなぎ、
付加価値の高い空間を構想

改良建設部 計画担当課⾧
営業線設計担当課⾧ 兼務

藤沼 愛Ai Fujinuma

2002 年入社

出身学部/理工学研究科 建設工学専攻

東京メトロの重点戦略である「さらなる安全・安心の提供と鉄道事業の進化による東京の多様な魅力と価値の向上」をテーマに、各種プロジェクトを実行することが改良建設部のミッションです。具体的には、営業線の改良工事や、駅周辺のまちづくりと一体になった鉄道施設の整備を推進。渋谷駅周辺地区の基盤整備事業や、日比谷線虎ノ門ヒルズ駅の整備など、東京の魅力度向上に通じるような空間の構築に精力を傾けています。

ステークホルダーの意見をまとめ、設計チームのメンバーを育てる

子どもの頃から3路線をもつ地域に住んでおり、鉄道を中心に生活が成り立っていることや、駅がまちに与える影響を肌で感じていました。そして大学院では地中構造物(シールドトンネル)の研究をしていた経緯から、地中構造物を取り扱うことができる鉄道会社として東京メトロを選びました。

入社後は、副都心線のトンネルの設計・施工監理を皮切りに、既存駅の改良に係る計画や設計などの実務にも携わっていましたが、担当課長となった現在は、外部関係者との協議・調整が業務の大半を占めています。まちづくりと一体になった鉄道施設の整備では、国や自治体、デベロッパー、ゼネコン、地域住民など、様々なステークホルダーとの連携が必要になります。会社の代表として発言し、円滑な調整を図るためにも、入念な事前準備や情報収集を心がけつつ、新たな価値を持つ場の創出を目指しています。他方、社内では、ともに働く設計担当のメンバーが業務の質を高め、成果を出すことができるよう、相談を受けることができる時間も意識しています。キャリアを重ねて管理職となった今は、チームメンバーの成長をサポートすることも大きなやりがいとなっています。

強力なパートナーシップを推進力に、虎ノ門ヒルズ駅を建設

地下鉄の構造物の建設には、10年、20年という年月がかかります。それゆえに、社歴を重ねるほど、過去に手がけたものが完成した姿を目にする機会が増えるところに醍醐味があります。2020年1月、銀座線渋谷駅が移設され、1番列車でお客様が出発される様子を見ることができた時、同年6月、日比谷線虎ノ門ヒルズ駅が開業した時は、技術者としてこの上ない喜びを感じた瞬間でした。

このうち虎ノ門ヒルズ駅に関しては、設計段階から長期にわたって対外調整役を務めてきました。同駅は国家戦略特区に指定されている虎ノ門エリアの中心となる駅で、UR都市機構が事業主体、東京メトロが駅整備と運営管理という役割分担でプロジェクトが実施されたため、先方に鉄道事業や工事の難しさを説明するところから始める必要がありました。通常にはないプロセスでしたが、そこで十二分に対話を重ね、良好なパートナーシップを築けたことが、コロナ禍に見舞われて苦労した開業準備をも乗り切る力となりました。とはいえプロジェクトは、まだ道半ば。同駅は今も周辺に建設されるビルとつながり、拡張し続けていますので、各社との調整に奔走する日々はもうしばらく続きそうです。

技術力で首都東京の魅力と活力を引き出していく

都市の地下に構造物を建設することに関して、東京メトロは世界でも抜きん出たノウハウを有しています。先に挙げた虎ノ門ヒルズ駅のプロジェクトで、日比谷線を営業しながら霞ケ関駅と神谷町駅の間に新駅をつくるという難工事を完遂できたのも、高度な技術があればこそ。歴代の先輩方が築き上げてきたこれらの技術に、時代に即した新たな概念も加えながら、次の世代へ引き継いでいかなければならないという思いが、今の私を突き動かしています。

さらに自分個人としては、土木に限らず、分野横断的な知識とそれらを応用する力を備え、首都東京の魅力や活力を引き出すことに貢献していきたいという展望を持っています。まちの可能性を広げるうえで、駅が果たせる役割はまだまだ沢山あるはず。駅がまちとつながることで、心はずむ新鮮な体験や利便性を提供できると考えています。

東京メトロでは、土木的な知見や技術に基づいて重大な判断が下される場面が多くあります。それだけに総合職の土木技術者に期待される役割は大きく、全うするのは簡単ではありません。これから入社するみなさんも変化を恐れず、何事にも挑戦する意欲を持って取り組んでくださることを期待しています。

※記載内容は取材当時のものです

一覧に戻る