Interview20
鉄道統括部 開発連携・工事調整担当 課長 藤沼愛

土木

「えき・まち連携プロジェクト」で


魅力的な地下空間づくりを推進し、


まちづくりの一翼を担う

鉄道統括部 開発連携・工事調整担当 課長

藤沼 愛AI FUJINUMA

建設工学専攻 修了
2002年入社

世界屈指の技術力で
都市空間に地下構造物を造る

子どもの頃から3路線を抱える駅の近くに住んでいたこともあり、私にとって鉄道は身近なものでしたし、事あるごとに鉄道を中心に街や生活が成り立っていることを感じていました。また、大学院で地中構造物(シールドトンネル)などをテーマとする研究室に所属したのも大きな契機になりました。研究室の先生がアクアラインや地下鉄などに携わった経験をお持ちで、実用的な先端技術を学ぶうちに、地下鉄における地中構造物の建設に惹かれるようになったのです。
こうして私は営団地下鉄(現在の東京メトロ)に入団し、最初の10年くらいは地下構造物を取り扱う部門に所属し、副都心線建設の現場などを経験しました。現場では想定外のトラブルが発生することが多く、臨機応変に対応することの大切さを痛感しましたね。また、学生時代に学んだ研究の一部が副都心線に活用されていることを知り、研究の意義や重要性を肌で感じることができました。
ちなみに、東京メトロのこうした地下構造物に関する土木技術は世界的にもハイレベルで、特に都市空間の地下に構造物を建設していくノウハウは抜きん出ています。そのため、国内外の鉄道会社などに地下構造物の建設に関するノウハウを提供する機会も多く、私自身、建設部調査課に所属していた時には他社のコンサルティング業務に携わったことがあります。あらためて東京メトロの技術力の高さ、社会的な存在意義を感じることができた業務でした。

困難を乗り越えて実現した
虎ノ門ヒルズ駅の開業

現在は鉄道本部鉄道統括部に所属し、「東京の魅力・活力の共創」をテーマとしながら、駅周辺のまちづくりと一体となった鉄道施設整備の推進に取り組んでいます。たとえば、都市開発事業者などと連携し、魅力的な地下空間づくりを推進する「えき・まち連携プロジェクト」もそのひとつです。
ここ最近でもっとも印象的だったのは、2020年に日比谷線において56年ぶりの新駅となった虎ノ門ヒルズ駅の開業に携わったことです。同駅は国家戦略特区事業に指定されている虎ノ門エリアの中心となる新駅であり、その分だけプレッシャーも大きい仕事でした。しかも、コロナ禍の影響で急な予定変更や前例のない対応を強いられることも多く、特に開業前の数カ月は担当課長として社内外の調整に四苦八苦させられました。そのため、無事に開業を迎えられた時にはこれまでにないほどの喜びと安堵感を覚えました。
「えき・まち連携プロジェクト」において、業務の肝となるのは社内外の関係者との調整です。まちづくりには国や自治体、ゼネコン、地域住民など数多くのステークホルダーが存在するので、そういった関係者の意見を収集・調整し、ひとりでも多くのお客様に喜んでいただける駅となるよう努めています。近年、駅に対するニーズは多様化しており、安全性だけでなく、利便性や混雑の緩和、さらにはニューノーマルへの対応なども重視されるようになりました。それだけにこうした調整には時間もかかりますし、すべてが報われるわけではないのですが、自分の仕事が形になった時には得も言われぬ喜びがあります。虎ノ門ヒルズ駅に関しては、さまざまな調整を経て虎ノ門駅との通路や新しいエレベーターを設置することができたのですが、実際にそれらの設備が利用されている様子を見るとついつい笑みがこぼれてしまうほどです。

多様な働きがいに満ちた
東京メトロの土木業務

地下鉄の駅は地上駅と比べて存在感に欠けるところがありますが、東京という街の進化に合わせてその役割はさらに大きくなってきています。だからこそ、これからも成長著しい部下たちと共に「えき・まち連携プロジェクト」を推進し、〝まちの顔〟となるような駅を造っていきたいと思います。
振り返ってみると、私は小学生の頃からまちづくりに興味を抱いていました。初めて東京ディズニーランドを訪れた際に「いつかこういう街がつくりたい」という憧れを抱き、それが土木の道を歩むきっかけになったのです。結果的にその時の夢に近づけているのは本当に幸せなことだと感じています。
土木というと、男性社会というイメージが強いかもしれませんし、実際、私が入団した頃は、女性施設が不十分で現場での泊まり込みの業務などに参加できないこともありました。しかし、現在はそういった状況も改善され、多くの若手女性社員が現場でいきいきと活躍しています。もちろん、土木といっても現場だけがすべてではないですし、それぞれの業務にさまざまな魅力があります。私も一時は出産や育児で「このまま現場での業務をまっとうできるのか」という不安を覚えた時期があったのですが、上司にまちづくりに携わる道を示してもらったことで、あらためて活躍の場を見つけることができました。そういった意味でも、学生の皆さんには広い視野を持って、就職活動に臨んでほしいですね。また現在、東京メトロは世界一の地下鉄事業者になることを目指し、社員一体となってさまざまな事業に取り組んでいます。それだけに総合職に期待される役割も大きいのですが、変化や失敗を恐れずに何事にも興味を持って取り組んでほしいと思います。

Career

2002年

建設本部 設計部 設計第二課 副都心線新宿三丁目駅、東新宿駅~新宿三丁目駅~北参道駅間トンネルの設計、工事発注

2004年

建設本部 早稲田工事事務所 副都心線雑司ケ谷駅、雑司ケ谷駅~池袋駅間トンネルの施工監理

2007年

建設部 調査課(途中、組織改正により改良建設部設計課に名称変更) 部内の技術管理(基準類など)や副都心線建設記録のとりまとめ、作成、シールドトンネルに関する他社コンサルティング業務、有楽町線小竹向原駅~千川駅の線増工事の設計、工事発注

2011年

鉄道本部 改良建設部
改良建設企画課(企画担当)
改良建設部内の企画、立案業務(予算管理など)。約1年間、産前産後休暇・育児休職を取得

2014年

鉄道本部 改良建設部
改良建設企画課(計画担当)
バリアフリー設備整備の計画、設計、再開発事業との接続に関する計画、協議

2016年

鉄道本部 改良建設部 設計課 各種改良工事の設計(浅草、末広町、日本橋、外苑前、広尾、北綾瀬など)。虎ノ門ヒルズ駅の設計、外部協議、工事発注、開業準備

2020年

鉄道本部 改良建設部
開発連携・渋谷基盤整備担当
虎ノ門ヒルズ駅整備事業や渋谷基盤整備事業の協議、調整、設計、工事発注

2021年

鉄道本部 鉄道統括部
開発連携・工事調整担当
駅周辺の都市開発事業者及び周辺自治体などと連携を図った、まちづくりと一体となった鉄道施設の整備に関する協議、調整、計画立案

料理で気分転換をしながら、少年野球への付き添いも
休日の過ごし方について

料理で気分転換をしながら、少年野球への付き添いも

休日は息子の少年野球の練習や試合に付き添うことが多く、あまり自分ひとりの時間はとれませんが、もしとれるようなら読書が好きなので図書館や書店に足を延ばしたいですね。あとは毎日のことになりますが、料理が好きで、良い気分転換になっています。仕事の大半が長期にわたるものばかりなので、その場で目に見える成果が出る料理にある種の気持ち良さを感じるのかもしれません。特に息子に「おいしい」と言ってもらえると、日々の励みになりますね。

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※内容は取材当時のものです