東京地下鉄株式会社 新卒情報 : TOKYO METRO RECRUITING

スペシャル対談 運輸職種 運転士 師弟対談

  • 運輸職種/運転士 本土 遼
  • 運輸職種/運転士 廣瀬 和哉

01

人々を支え、役に立てる仕事

人々を支え、役に立てる仕事

  • 廣瀬本土は文学部の出身だったよね。そもそも、どうして鉄道会社に入ろうと思ったの?
    運転士に強い憧れがあったとか?
  • それが、就職先を考えるにあたり、鉄道会社はまったく視野に入っていませんでした。なにしろ、文学青年でしたから…(笑い)。小説や映画が好きで、学生時代は出版社でアルバイトをしたり、映画の専門学校にも通いました。就職先についても、出版社や映画会社に入れたらいいなと、ぼんやりと考えていたんです。本土
  • 廣瀬その想いが、ある時変わったの?
  • はい。友人が福島の出身で、東日本大震災の影響で家を、そして故郷を失いました。私もボランティアとして復興を支えようと被災地に通いました。その中で、電車が動くことが沿線の人々にとって、どれほど影響のあることかを肌で感じる機会がありました。運行の再開を涙を流して喜ぶ人々の姿を目にして、人々の生活を根底から支えるような仕事に就きたいと思ったんです。本土
  • 廣瀬震災当日のことは、僕もよく覚えているよ。泊まり勤務で午後から出勤し、出勤点呼の間際にいままでに経験したことのない揺れを感じたんだ。全路線の安全を確認した後、運転を再開させ乗務に就き、終点で列車を降りた際、お客様から「ありがとう」と声を掛けられて、この仕事を選んでよかったと思ったよ。
  • そうだったんですか。私も当日、東京メトロが一晩中運行したことを知り、また自分が使ってきた慣れ親しんだ路線ということで、鉄道会社の中でも、ぜひ東京メトロで働きたいと考えて入社しました。師匠の入社理由も聞かせてください。本土
  • 廣瀬小学校の社会科見学で車庫を見学し、鉄道会社の仕事について紹介された時に、大変な仕事だけど、人の役に立てるやりがいのある仕事だなと思ったんだ。また中学生の時に地下鉄サリン事件が起き、ニュース映像で当時の営団地下鉄の職員が、お客様を安全に誘導している姿を見て、この会社で仕事がしたいと強く思ったことを覚えているよ。東日本大震災の時には、自分が憧れた姿と同じように、お客様の役に立つサービスを提供できたことに、誇りを感じたものさ。

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02

運転の、感覚を身につけていく

運転の、感覚を身につけていく

  • 師匠と初めてお会いしたのも、この会議室でしたよね。本土
  • 廣瀬運転士になるための技能講習のために、本土が新木場運転事務室に配属されたのが、平成28年の9月のことだったね。有楽町・副都心線乗務管区に運転士見習を迎えるのは9年ぶりのことで、自分自身、運転士見習の指導にあたるのは初めてだったんだ。
  • 私が、師匠の初弟子なんですよね。本土
  • 廣瀬正直、最初は、勉強はできそうだけど、体力はなさそうだなと思ったよ。(笑い)それと、一目で緊張しているのがわかった。確か、自動車の運転免許さえも持っていなかったよね?
  • はい、はじめて取得したのが、電車を運転するための動力車操縦者運転免許でした。師匠は背も高くて、物静かで、なんだか怖そうな印象でした。9年間、運転士見習の配属がなかった所属でしたから不安でいっぱいでした。本土
  • 廣瀬とにかく、その緊張を解いてからでないと何もはじまらないと思ったよ。徐々に慣れさせていって、知識や技能の習得はそれからだと考えたんだ。偉いなと思ったのは、次回までにこれを覚えておくようにと指示すると、きっちり覚えてきたこと。運転士になりたいという強い熱意を感じたよ。
  • とにかくハンドルを握るだけで、吐き気がするほど緊張していました。師匠は、寡黙そうに見えて、冗談やイタズラが好きなタイプで、緊張している私をいつも笑えない冗談を言って和ませようとしてくれました(笑い)。本土
  • 廣瀬自動車を運転した経験があれば、ある程度の速度感覚は自然に身につくけれど、その経験もない本土に、感覚的なものをどう伝えたらいいのか悩んだよ。何度も繰り返し指導し、その感覚に慣れさせていく努力をしたかな。
  • 見習期間中は師匠が備えている感覚を、徐々に自分のなかに入り込ませて定着させていく期間でした。本土
  • 廣瀬指導員経験のある先輩から、教わる側にも調子の浮き沈みがあると聞いていたけれど、ようやく身につけた感覚を、休み明けには忘れていて一から出直すことも度々あったよね。本土も、運転士になるための試験まで残り数週間という時に、大きな落ち込みを経験したね。
  • もちろん、覚えています。片道で2回も駅の停止位置を過走してしまいました。身につけたと思っていた感覚を失っていて、悔しくて、悔しくて、涙が流れて…。「泣いている暇があったら、正確に停止させることを考えろ」と厳しい言葉をいただきました。本土
  • 廣瀬試験まで残りわずか、それまで順調に来ていたのに、ここで失敗するのか!という想いもあって、2回目の過走のときには、怒りが頂点に達したよ。休憩時間中に、もう一度立て直すぞ!と自分にも気合いを入れて、次の乗務に向かったな。
  • そんな師匠の想いが自分にも伝わり、感覚が徐々に蘇ってきました。
    本当に丁寧に、親身になって指導していただき、ありがとうございました。
    本土

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03

想像力という資質について

想像力という資質について

  • 運転士となり、一人で乗務に就いた最初の運行では、手が震えるくらいに緊張しました。その緊張を解くため、師匠から伝授されたことを、そのままきちんとこなすことだけを考えました。師匠から教えられたこと、それが自分にとって唯一、頼りになることでしたから…。師匠が隣にいなくても、師匠と一緒に乗務しているような気持ちでしたね。本土
  • 廣瀬なんだよ、気持ち悪いな(笑い)。でも、自分も初めて一人で乗務した時、運転室の空間が妙に広く感じたことを思い出すよ。
  • やっぱり初めて一人で乗務するのは特別なもので、1日乗務して無事に事務所に帰ってきた時には、やり遂げたという感覚に満たされました。本土
  • 廣瀬あっという間に一年が経って、そろそろ後輩を迎える時期になるね。
  • そうですね。後輩に質問されても、何でも答えられるようになりたいです。新人でもベテランでも一人の運転士ですから、プロとして後輩にしっかりと対応しなければなりませんね。本土
  • 廣瀬そういえば、鉄道総合技術アカデミーに参加しているんだよね?
  • 参加にあたっては師匠に相談させていただきましたね。あの時、背中を押していただき、ありがとうございます。車両や電気、工務といった他の部門の社員と交流しながら、鉄道について総合的に学ぶことができる場なので、とてもいい経験になっています。本土
  • 廣瀬若いうちにしか経験できないこともあるから、その経験を財産にして、さらに後輩たちにも伝えられるようになるといいね。どんな後輩に、入社してきて欲しい?
  • 私たち乗務員がいて、車両、電気、工務といった部門の技術者たちが運行を支え、駅での駅係員のサービスがあって成り立っているのが、鉄道なんですよね。だから、他の社員に対して敬意を払うことができて、お客様が何を望んでいるのかにも気づくことができる、そんな想像力豊かな後輩たちに会いたいですね。また、東京メトロにはいろいろな挑戦の場があるので、チャレンジ精神を持って入社してきて欲しいです。本土
  • 廣瀬いいこと、言うようになったじゃないか。想像力という資質を身につけるためにも、多くの人と関わって、いろいろな考え方や価値観を吸収しながら、視野を広げていくことが大事だと思うよ。
  • はい、師匠。頑張ります。本土

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※内容は取材当時のものです