土木職種(軌道)


定刻通りの安全運行を
下支えしている使命感が日々の原動力になる

工務部 半蔵門・南北線工務区

佐藤 雪乃Yukino Sato

2020 年入社

出身学部/工学部

列車の安全運行に欠かせない軌道の保守管理することが、工務区の役割です。昼間は担当路線を徒歩で巡回・検査し、レールの亀裂やまくらぎの破損など、軌道に亀裂や破損などの異常がないかどうかを確認し、夜間には保守用車を走らせて、予定箇所の補修を行います。保守の実作業を行う取引先の方々と共に、整備基準にもとづく業務を確実に遂行し、安全で乗り心地の良い線路の維持に日々取り組んでいます。

厳格なルールに則って、慎重かつ確実に軌道の点検・保守を実施

幼い頃からトンネルやダム、橋梁といった大型のコンクリート施設に関心があり、大学ではコンクリートに関する勉強をしていました。研究を進めていく中で、首都東京を支える地下空間の構造に興味が増して、東京メトロへの就職を志しました。

入社後は半蔵門・南北線工務区に所属して、渋谷から押上まで走行している半蔵門線の保守管理を担ってきました。例えば、レールの位置や高さは整備目標値の範囲を 1 ㎜でも超えてはならないというように、保守管理の仕事には厳格な規程が数多く定められています。非常に神経を使いますが、日々の安全運行を維持すべく確実な処置に努めています。

工務区では、巡回点検や補修といった基本業務とは別に、各班が検査、機材、計画などの仕事を分担し、定期的に担当替えをすることで、業務知識を広げることのできる仕組みになっています。私の場合、3 年目までは機材担当として、補修材料の納入、棚卸し(数量確認)などを経験しました。現在は計画担当として、保守用車の編成や運行ルートを計画しています。トンネル内では電機区や信通区などの作業も行われるため、他部署とも密に連絡を取り合い、必要に応じて計画の修正も行いながら、円滑な補修の実施を推進しています。

きめ細かな指導を受けながら技術者としてステップアップ

鉄道に関する知識が全くない状態で入社したので、工務区に配属された当初は分からないことばかりでしたが、厳しくも温かい職場環境に恵まれて、技術者としてのステップを着実に上ってこられたと思っています。

たとえば、初めて夜間作業に出た時は、作業内容や手順を把握していただけで、その目的が理解できていなかったところを上司に指摘されました。理解が曖昧なまま現場に出ても、目的に見合った正しい保守はできないのだと、そのとき教わったことは今も胸に刻んでいます。また、先輩方からは、補修する場所に即したボルトの種類をクイズ形式で教えてもらったりと。きめ細かな指導を受けながら必要知識を一から学ぶことができました。おかげで今は先輩の指示を仰がなくても、先回りして動けるようになったところに成長を感じています。

そして今年は、作業指揮者の資格も取得。作業指揮者は、取引先の作業員の方々に指示を出し、作業品質を管理する責任者です。これまでは先輩のサポート役として現場に入っていましたが、作業指揮者になれば独り立ち。今後はできるだけ早期に保守用車の免許を取得し、取引先のみなさんと一緒に補修工事ができるようになりたいと考えています。

エネルギッシュな女性エキスパート職の活躍に刺激を受ける毎日

この仕事をしていて良かったなと思うのは、夜間作業を終えて事務所に戻り、線路閉鎖解除(始発列車を通せる状態になること)の連絡を指令所から受ける時です。肩の荷が下りてほっとすると同時に、今日も一日、自分の役目を果たせたという感慨がこみ上げてきます。担当路線が何事もなく、時間通りに動いている。工務区の技術者にとって、これに勝る喜びはありません。毎日何百万人もの足を支えている東京メトロ。その遅延のない運行の一翼を担っていることに誇りと使命感を持ち、与えられた任務をまっとうしたいと思う気持ちが仕事のモチベーションになっています。

働く環境としても、工務部では野球大会や技能競技会、企業価値向上発表会など、数多くのイベントが開催され、参加するなど、大変に活発で活き活きとした職場です。社内行事では運輸職種の人と交流する機会もありますが、エキスパート職の女性社員は皆エネルギーに溢れています。そこに自分も刺激を受けていますので、これからも元気で明るいみなさんをお迎えし、一緒に鉄道事業を支えていければと願っています。

※記載内容は取材当時のものです

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