車両職種(工場)


「車輪」という電車の核を徹底的に
整備点検し運行を支える

車両部 深川工場

前澤 典明Noriaki Maezawa

2012 年入社

出身学部/不動産学部

私は深川工場で台車班に所属し、お客様の安全・安心を最優先するという使命のもと、日々車両をきめ細やかに整備して営業線に送り出しています。具体的には、クレーンによって車体と切り離された台車を洗浄し、枠と車輪に分解。分解した枠と車両軸を、磁粉探傷検査や超音波探傷検査といった非破壊検査と目視によって調査します。この際、ミリ単位の傷も見逃しません。そして各種部品の交換や手入れを行った後、車両を組み立て直して最終検査を行います。

安心して利用できる車両を提供するため、未経験から整備に挑戦

新卒では、大学時代に学んだ知識を活かせる不動産会社に就職しました。しかし、学生時代から熱中していたボクシングの道を諦めきれず、約 2 年間務めた会社を退職しました。父の体調不良をきっかけに実家に戻り、28 歳までプロボクサーとして活動していました。

家業を継ぐという選択肢もあったのですが、やはり東京で働きたいという思いがあり、父も回復したことから転職先を探すように。そんなある日、東西線の中吊り広告で東京メトロの求人ポスターを見つけました。これをきっかけに東京メトロの仕事を詳しく調べると、車両整備の仕事があると知り、未経験でもチャレンジできるということで入社しました。

入社後は 1 か月半の研修で仕事の基礎を学び、現車班に配属。車両の総合点検や連結器の手入れなどを担当し、整備の技術を磨きました。仕事の幅を広げてみたいと上司に伝えたところ、10 年目に台車班に異動することに。お客様に安心してご利用いただける車両を提供するため、車輪や軸で構成される台車の整備点検を行っています。

故障は事故に直結するからこそ、基本に忠実に、着実に

車両の台車は取り換えのきかない装置であり、営業線で万が一不具合が発生してしまうと、事故や故障に直結してしまう恐れがあります。安全・安心な運行のためには、私たち作業者の点検手入れが非常に重要です。その責任の大きさを日々かみ締めていますし、東京の公共交通を支えているという実感がやりがいにつながっています。

中堅社員となった今、後輩や同僚の指導にあたることが増えてきました。指導で特に伝えているのは「自分の体を守ること」ですね。クレーンでの作業が必要になる重量物を取り扱うため、ちょっとした油断が怪我につながりますし、最悪の場合、命の危険にもさらされてしまいます。基本に忠実に、集中して作業する。これが何よりも重要になるのです。

また、指導する時は相手の意見を聞き、考えを尊重した上で工夫すべき点をアドバイスするようにしています。その方がモチベーションアップにもつながりますから。私たちの仕事はチームワークが求められるので、日ごろから積極的にコミュニケーションを取り、人間関係を築いています。仕事と休憩のメリハリをつけて、和気あいあいと仕事に取り組めているのもやりがいですね。

幅広い技術を磨き、整備のオールラウンダーになりたい

大規模なネットワークがあり、主要な都市部や観光地へスムーズに移動できる東京メトロ。日本の首都の大動脈を安全面から支えられるこの仕事に、誇りを感じています。点検手入れしている台車装置に不具合が発生すると、何万人ものお客様に被害が及ぶことを常に念頭に置き、日夜車両の完全整備に向けて尽力しています。

今後の目標は、整備のオールラウンダーになること。車両部で経験できていない空気制動班や電気班の仕事にもチャレンジしてみたいですし、営業線で日常点検を行う検車区の仕事も学んでみたいですね。新しい仕事を覚えて、経験を積みながら技術を身に付ける過程は、成長を実感できるので楽しいものです。コツコツと自分らしいキャリアを積みながら、整備全般に関する知識と技術を高めたいと思います。

一日に約 595 万人ものお客様を輸送する会社の一員であること。その誇りの大きさは言うまでもありません。まだまだ成長の可能性を秘めている東京メトロをより良い会社にすべく、一緒に成長できる方の入社を心待ちにしています。

※記載内容は取材当時のものです

一覧に戻る