建築職種(建築)


利用する人々を思いながら、
東京に自分の形を残していく

工務部 建築計画課

石川 純平Junpei Ishikawa

2015 年入社

出身学部/創造理工学研究科

鉄道の駅や建物には、計画→設計→施工→保守点検→計画……というサイクルがあります。建築計画課は、このうち計画のプロセスを担っています。駅建物の新築、改良、保守工事など、東京メトロが行うすべての工事について建築計画と予算計画の策定・管理を担当。建築分野のヘッドクォーターとして社内各部署と調整を重ね、一件一件の妥当性を入念に検証しながら、この先 5 ヶ年の事業計画を取りまとめ、毎年見直しを図っています。

東京を地下からもっと良くするための土台づくりに励む

モノづくりが大好きで、人に必要とされる仕事がしたく、就職活動はインフラ業界に目を向けました。将来的な労働人口の減少が予想される中、今あるものを保守することの重要性にも気がついて、辿り着いたのが「鉄道会社の建築職」でした。何十年も昔から、この大都市の地面の下に無限とも思える空間をつくりあげてきた東京メトロの技術力に憧れを抱き、自分もここで東京を地下からもっと良くしたいと考えて入社を決めました。

入社後は建築設計第二課で、駅や車両基地の設計に携わった後、建築工事所へと移り、駅のバリアフリー化や改装工事などの監理業務に従事しました。そして 2022 年からは建築計画課で東京メトロの事業計画を策定しています。モノづくりを成功させるには、周到な下準備が欠かせません。今、有楽町線と南北線の延伸という大事業が進む中、計画の立場からその重要な土台づくりに関われることをやりがいに感じています。

計画業務のほか、図面等の膨大な紙資料を電子化し、建築分野の働き方改革を進めることも現在の役割です。保存したデータの分析結果を事業計画にも活用し、無駄な投資の削減や安全性のさらなる向上にも寄与したいと考えています。

設計に新仕様を盛り込んで、思い描いていた以上の駅改良を実現

入社 4 年目で建築設計第二課に所属していた時、南北線の 8 両化に伴う駅改良工事の設計を任されました。それまで 6 両編成だった車両を 8 両編成にするにあたり、各駅で 2 両分のホームとそれにつながる階段などを新設するという内容で、自分にとって初めての大きな駅改良設計でした。この大仕事に臨むにあたってこだわったのは、限られた予算の中でも美しいものはつくれるという信念を実践し、利用する人々に喜ばれる空間を実現していくこと。そこでまず、高度な機能や施工性といった条件を満たせる新材料・新技術を探し出し、それらの仕様を導入する意義を社内に周知した上で、設計に盛り込んでいきました。

結果、工期も短縮し、駅の改良工事は無事終了。完成したホームと階段は、自分が思い描いていた以上に美しく仕上がり、感激するとともに驚きました。施工してくれたゼネコンの担当者に感謝を述べに行くと、「図面から石川さんの考えや思いが分かりやすく伝わってきたので、その実現に向けて現場も頑張ることができました」と言ってもらえて、感動が再びこみ上げました。入社前に秘めていた「自分の思う形がつくりたい」という願いが一つ叶った瞬間でした。

様々な立場の人から信頼され、求められる技術者に

数百万人もの人々に、自分が設計・工事監理した駅建物を使っていただける。今後数十年に渡って、東京に自分の証を残していける。これは東京メトロの建築職だからこそ得られるモチベーションだと感じています。例えば、完成した駅建物がニュースに取り上げられる時も、自身の仕事を誇りに思える場面です。

今後も、鉄道建築のプロフェッショナルとして、より良い駅建物をつくり守れる能力を磨き続けていきたいと考えています。多数の部門や関係者と連携しながら駅建物をつくり、守っていくには、自分自身が関係する全分野の業務や設備を理解しておかなければなりません。知識や技術に加え、人間力も重要です。自分が尊敬する上司や先輩方のように、社内からも社外からも信頼され、求められる技術者になれるよう研鑽を積んでいきたいと思っています。

どのような仕事にも困難や苦労はつきものですが、その過程やゴールにはやりがいや充実感があり、それが誇りにつながります。就職活動生のみなさん一人ひとりが、やりがいや誇りを実感できる仕事に巡り合えることを期待しています。

※記載内容は取材当時のものです

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