その先に起こり得る
さまざまな事象を想定し、
対処する力を蓄える。
田嶋 優香里YUKARI TASHIMA
2013年入社
- 2013年営業部
池袋駅務管区 駅務係 - 2014年運転部
銀座線乗務管区 車掌 - 2015年運転部
丸ノ内線乗務管区 運転士
人を知る
お客様のために自発的に考えて最善を尽くす会社
学生時代は、200人規模のバドミントンサークルに所属し、会計係を務めました。また、法律を学びながら、公務員受験のためのスクールにも通い、多忙な学生生活を送っていました。就職活動にあたって自分を見つめ直した時に、毎日パソコンと向き合うような仕事は、自分には向いていないのではないかと考え、より多くの会社の話を聞いてみようと、業種を絞らずに説明会に参加しました。
東京メトロの説明会に参加して、東日本大震災の時に多くの社員が職場に留まり、復旧のために自発的に行動して当日の運転再開を果たしたことを知りました。非常時に、まず第一にお客様のことを考えて行動できる点がすごいと感じ、自分もそのような会社で仕事がしたいと思いました。
説明会からの帰宅後、「東京メトロに入る」と両親に宣言していたようです。
入社後、副都心線の雑司が谷駅と池袋駅での接客や案内業務を経験し、そのうえで、車掌となるための登用試験を受けました。この試験に合格し、2014年からは銀座線乗務管区に異動となり、車掌として銀座線の列車に乗務することになりました。車掌として過ごした2年間は、人間関係にも恵まれ充実していました。そして、この経験のなかで、次の目標が見えてきました。
仕事を知る
背後にいるお客様を常に意識し、安全運行に努める
車掌時代によくペアを組んだ運転士は、礼儀正しく紳士的な方でした。知識も豊富で堂々としていて、当日の乗務についての指摘や助言も的確でした。そんな尊敬できる運転士との出会いが、私を運転士になるという次の目標へと向かわせてくれたのだと思います。
現在、私が乗務する丸ノ内線はワンマン運転を行っているため、運転操作に加えて、ドアの開閉や車内放送を行うのも運転士の役割です。快適な乗り心地を追求するために、車内の混雑状況や線路形状にも配慮した加速やブレーキ操作を行うように努めています。ベビーカーや車椅子をご利用のお客様もいらっしゃいますので、急な減速とならないように、徐々に減速するように心がけています。
また、ホーム進入時には視野を広く持ち、乗降時のトラブルを回避するために、ドアの開閉にも細心の注意を払っています。また車内放送では、お客様にとって必要な情報は何かを考えながら、運行情報やスムーズな乗降のためのご案内を行っています。
乗務中は、いつどこで何が起きるのか予測することはできません。車両故障やお客様への対応等、これまで経験したことのない事象にも臨機応変に対応することが求められます。日頃の何気ない作業であっても疑問が生じればすぐに調べて、それに派生する事象も含めて対応を確認するようにしています。これまでに大きなトラブルに遭遇したことはありませんが、万一の時にも冷静な対応ができるよう備えています。
この職種を目指す学生へメッセージ
1つのチームとして列車を運行するという自覚と責任
運転士の使命は、お客様を無事に、そして安全に目的地にお連れすることです。何事もなく列車が運行しているのは、お客様にとって当たり前のことですが、その当たり前を支える縁の下の力持ちとして、人々の役に立ち社会に貢献できていることこそ、運転士の誇りだと思っています。また、私たちの仕事は、車両を、線路を、設備を点検している人たちがいて成り立っています。普段は会う機会の少ない、しかし確実につながっている仲間の存在を忘れずに、1つのチームとして列車を運行しているのだという自覚を持って業務を遂行しています。時折、子供たちが運転席に手を振ってくれるのが、嬉しい瞬間です。

※内容は取材当時のものです